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ガラムマサラ

(東京・経堂)
住所: 東京都世田谷区経堂1-22-18 タイムポート経堂2F
電話: 03-3427-1985

 ガラムマサラに行くと、いつも新しい発見がある。それは、オーナーの心意気が、料理を通じて伝わってくるからだろう。オーナーのハサンさんは日本好きが高じて帰化した方。毎月のように、日本やインドを旅している。ハサンさんが旅から帰ってきた後には、パワーアップしたメニューに出会えることが多い。

 ガラムマサラの料理は、オーナーのお母さんの味がベースとなっているそうだが、それに加えて、インドに限定しない食材を使用した創作料理が盛り沢山だ。特に、お酒に合う小皿料理は、他のインド・スパイス料理店とは比べ物にならないほど、充実している。たとえば、オクラと鯖水煮缶のニンニク炒め「Saba-can(鯖缶)」のように、他のお店では出会えないコンビネーションがある。数年前に食べるラー油が流行った頃からは、スパイス入りラー油を使ったメニューも加わった。「タンドリー砂肝」はその一例だ。こうした料理が、300円台から楽しめるのはありがたい。お酒とともに、食べ過ぎて、メインのカレーにたどり着く前に、ついお腹がいっぱいになることも多い(笑)。

 カレーの基本メニューは、4つのカテゴリーに分かれている。(1)店名を冠した「ガラムマサラカレー」、(2)高級スパイス・パチュミシャリを使った「家庭のカレー」、(3)ほうれん草とトマトで仕上げたヘルシーな「サブジカレー」、(4)インドの豆を煮込んだマイルドな「ダルカレー」だ。これらに加えて、ナマズカレー、牡蠣カレーといった変わり種が登場して、約30種類のカレーが楽しめる。

 バリエーションは豊富だが、スパイスがふんだんに使われている点は変わらない。そして、もう一つの特徴は、健康に配慮して、バターや生クリームを極力使わないことだ。だから、インド他のアジア諸国のスパイスや、隠し味に使われる日本の調味料、素材の良さが引き立つのだろう。

 インド料理店といいつつ、インド料理の枠に収まらない独創的なスパイス使いは、これからもファンを魅了し続けるに違いない。常にスパイスの新しい可能性を追求し、日本のカレー文化に貢献した存在は、Japanese Curry Awardsを贈るにふさわしい。

(文:カレーヒロシ)

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