その美味しさは、自分の中でずっと“謎”でした。
ネパール定食・ダルバートを出す店がまだほとんどなかった1999年から続くレジェンド店。そのダルバートは家庭的で、派手ではないけど、何だかうまみがまろやかに満ちている。とくに、旬の野菜を使ったタルカリは、じわっと沁み入ってくる。この言語化しにくい美味しさは、どこからくるのか…。
先日、女性店主ウルミラさんの作るところを拝見したら、そこかしこに手が込んでいて、また日本では手に入りにくい食材もいろいろ取り寄せて使ったりしていて、そうか、この美味しさの一端は手数と愛情なんだなと謎が大きく一歩解けた気がしました。
（文：田嶋 章博）