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エリックサウス

(東京・八重洲)
住所: 東京都中央区八重洲2-1 八重洲地下街4号(八重洲地下2番通り)
電話: 03-3527-9584

 東京駅八重洲地下街に、2011年9月にオープンした南インド料理店です。この界隈にはダバ・インディア、ダクシンと南インド料理専門店があります。それに対して、当時は非常に挑戦的な出店だと思いました。しかし、その思いは違っていたことが分かりました。

 エリックサウスがすごかったのは、徹底的に敷居を下げたことです。数年前までは南インドの定食であるミールスは、カレーやインド料理が好きな人でも一般層ではなく、マニアな人向けのメニューだたように思います。それが東京駅から地下街直結の立地で、いただけるようになりました。お店の入り口にドアはなく、外から店内が伺えるスペースに、いかついインド人ではなく日本人店員が調理と接客をしています。店内にはミールスの食べ方が分かりやすく書かれたポップが置かれてあり、初めて南インドに触れる方でも分かりやすいです。これだけでも格段にハードルは下がります。店内のカウンター席では、女性がひとりでミールスをいただている光景などが見られます。

 このお店は近隣の南インド料理店と競合するというよりは、むしろ八重洲地下街のラーメン屋やバル、カフェなどの他の飲食店と勝負している感じがします。マニア向けだった南インド料理が、ここまでになったことは隔世の感があります。もちろん、一般向けにしたからといって料理の味が損なわれているわけではありません。ランチタイムはミールスが、何と1000円でいただけます。この値段でも、インドの長粒種バスマティライスを使用していて、ライスのお替わりが無料というのは信じられません。他の南インド料理店と比べても、非常にお値打ちです。ディナータイムはバルのように利用することもできます。各種お酒と一緒にインドの軽食を400円程度で気軽におつまみとしてオーダーでっきます。ウプマ(セモリナ粉とスパイスを炒め煮した、おからのような軽食)といったような、南インド料理店でもあまり見かけないメニューがあるのは、憎いチョイスです。

 一般層に広く訴求して、南インド料理の敷居を思い切り下げながら、マニアも満足できるメニューも選べるという難題をさり気なくこなしているのは、すごいことだと思います。

 東京駅直結なので、キャリーバッグを持ったお客さんをよく見かけます。新幹線を利用する旅行者にもアクセス至便な、南インド料理店として利用価値が高いです。さらに成田空港・羽田空港からのLCC高速バスは、エリックサウスのすぐ近くが乗り場です。海外からのお客さんや東京観光の方にもお薦めしたいお店です。

 あらゆる層の客にとって隙きのない使い勝手と立地の良さで、ナンとカレー以外のインド料理をとっつきやすくしたことは、もっと評価されるべきだと思います。

(文:Ushizo)

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